海 に 撒く 葬式

海に遺骨を撒く際の葬式はどうする?【散骨のギモン】

故人の希望があって、遺骨を海に流して欲しい・・・と頼まれた、けど、手続きが分からない・・・。
あなたはこんなことで悩んでいませんか?

 

日本においては火葬〜お墓に納骨というのが一般的ですから、海にお骨を流すというのは、あまり馴染みがないかと思います。
でも、そんな日本でも遺骨を海に流すことは可能です。

 

この記事では、遺骨を海に流す場合の手続き、その場合はお葬式はどうするのか?など、素朴な疑問についてまとめてみました。

 

海に遺骨を撒くお葬式の起源「水葬」

海に遺骨を播いて葬儀を行う行為の起源は「水葬」と呼ばれるものです。
この水葬、現代では馴染みが薄い行為ですが、昔は日本でも行われていた行為なんです。

 

この水葬には、舟葬(しゅうそう)と、海葬の2つの種類があり、昔は普通に行われていたものです。
ちなみに、舟葬は亡くなった人を小さな舟に乗せて海に流す埋葬方法、海葬は遺体をそのまま海の中に流すという埋葬方法を指します。

 

また、一部の地域では、「死期が近い人を船に乗せ海に流す」ということが行われていました。今では考えられないことですが、昔はこういうことが普通に行われていたのですね。
今でも行われている精霊流し、灯籠流しは、こういった水葬の名残と言われています。

 

海に遺骨を撒く葬式 水葬は日本ではタブー

この水葬ですが、残念ながら日本ではタブーなんです。というのも、仮に水葬を行ったとなると、刑法190条の死体遺棄罪に該当し、3年以下の懲役に処せられてしまいます。
日本では火葬が一般的ですし、自治体によっては水葬が禁じられていることも多いです。

 

ただし、船舶の航行中に乗務員や乗客が亡くなった際には、船長の判断により水葬が行えます。もちろん、船員法で定められた条件を満たしていなければなりません。
その条件とは、死後24時間経過している、遺体の保存ができない、遺体が浮き上がらない処置をするなど、複雑な条件が課せられています。

 

海に骨を撒く葬式 海洋散骨なら日本でも行える

前途の通り、水葬は日本においてタブーですが、海に骨を撒く(海洋散骨)なら日本でも行うことが可能です。
これは、水葬と違い、砕いて粉状にした遺骨を海に撒くという行為は、「自然葬」として認められているからです。

 

特に、海に骨を撒く「海洋散骨」は、日本でよく行われる散骨方法になります。

 

海洋散骨とは、船をチャーターして粉骨した遺骨や遺灰を海に撒くという供養です。
場合によっては、何組かの遺族が一艘の船で散骨することもあります。

 

また、遺骨だけ預ける代理散骨などさまざまなサービスがあり、その価格も異なります。

 

海洋散骨のメリットは?

海を故人のお墓とすることができるため、海が好きだった故人様にはピッタリかもしれません。

 

また、お墓を作らないので、お墓を建てるよりも費用が安くなる、お墓の管理をしなくてもいい、というメリットもあります。

 

しかしながら、お墓を作らないことで、普段からお墓参りができないというデメリットもあります。

 

ですので、多くの方は遺骨の大部分をお墓に納骨して、一部分だけ海に散骨するというケースが多いです。

 

また、予め粉骨が必要になりますので、通常のお通夜から葬儀〜火葬後に、粉骨する流れになります。
故人様によって火葬と葬儀の順序が逆になることもありますが、何にせよ、散骨業者との連携が重要になりますので、早めの連絡・相談を心掛けましょう。

 

海への散骨に必要な手続きとは

まず、日本では散骨に関する規制や法律はありません。

 

ですが、総務省より「節度をもって葬祭のひとつとして行われる限りは違法にならない」とされており、散骨に必要な手続きというのは基本的に必要ありません。

 

しかしながら、個人で散骨を行うのは難しいため、業者に依頼するのが一般的です。
その際、火葬許可証(埋葬許可証)の提示を求められる場合がありますので、事前に確認をしておきましょう。

 

火葬許可証(埋葬許可証)は、一般的には骨壺が収められている桐箱に保管されています。
しかし、万が一紛失してしまった際は市区町村の役所にて再発行できます。

 

ですから、散骨を望まれるご家族が亡くなった際には、まずは通常通りの流れで火葬までを行い、その後、散骨業者に依頼するという形になるでしょう。

 

ただし、海への散骨を行う際、事前に粉骨(ご遺骨をパウダー状に砕く)処置を行わなければなりません。
もちろん、この粉骨も業者に依頼できますが、事前に処置が必要なため、予め業者に確認しておく方が安心でしょう。

 

遺骨を海に散骨する際の料金の相場

故人様のご遺骨を粉状にして、海に散骨することは、「海洋散骨」と言うご供養方法となります。

 

この海洋散骨は、大別すると「参加型散骨」と「代行散骨」の2つに分けることができ、それぞれ料金が異なります。

 

 

参加型散骨

参加型散骨は、ご遺族も船に同乗し、ご遺族の手でご遺骨を海に流して供養する散骨方法のことです。

 

この参加型散骨には、ご遺族1組だけが乗船する場合と、複数のご家族が同時に乗船する場合があります。

 

参加型散骨の料金相場

参加型散骨の場合、ご遺族1組だけが乗船する場合と、複数の組が同時に乗船する場合とでは料金が異なります。
ご遺族1組だけが乗船する場合、料金はおおよそ20万円〜30万円程度が相場です。

 

しかし、複数の組が同時に乗船すると、乗船した組が多ければ多いほど、料金が安くなる傾向があります。

 

 

代行散骨に掛かる料金

海洋散骨専門の業者に遺骨を預け、その業者に海に散骨を依頼するのは代行散骨です。

 

この代行散骨の場合、参加型散骨と比較して、散骨に掛かる費用を削減できるという観点から、費用も5万円程度で請け負う業者がほとんどとなります。

 

海洋散骨は自分で行うより、業者に依頼するのが最適な選択

前途しましたが、散骨を「死体遺棄」だと警察が判断するケースもあり、仮に死体遺棄になった場合、逮捕されてしまいます。
そうならない為にも、海洋散骨は自分で行わずに、専門の業者に依頼する方が無難なのです。

 

仮に業者に依頼すると、ケースバイケースですが大体5万円〜30万円程度の費用が必要になります。
しかし、一般的な葬儀の費用と比べると、かなり低価格な印象です。

 

ですので、故人の遺志に沿った埋葬を実現しやすいと言えるわけです。